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こんなところで吐いたら羞恥心で死にたくなるからな。
飯を食べ終えた俺達は、午前に起きたことがことだけに疲れたということで、最後に観覧車に乗ることにした。
「並んでるなぁ……」
「たしかに……。でもこれに乗らないと来た意味ないじゃない」
しょうがないので俺達は30分待ちの列の最後尾に並ぶことにした。
「うおぉー。高いなぁー」
「そ、そういえばこの観覧車の頂上で、き、キスをすると幸せになれるんだって」
「へぇー。今度はそんな相手と来いよな」
彼女がいない俺への当てつけか?
俺は少し引きつってしまった笑顔で答えた。
「……そうだね」
どうしたんだ凛の奴。
急に浮かない顔になって。
「あ、あれ俺達の学校じゃないか?」
雰囲気を変えようと話しを振ってみたけど、凛はちらっと見ただけだった。
んー……何か間違えたか?
「……ねぇ」
「ん?」
「…………」
話しかけてきて沈黙だと!?
新手のいじめか?
「また……来ようね」
「────っ!?」
「いや?」
「も、もちろん行くよ」
「そっ。なら楽しみにしてる」
そう言う凛の笑顔はとても可愛く、直視できないほどだった。
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