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俺は心配そうに見上げてくる結衣の頭を撫でる。
「仕方ない。ここはスマートに決めよう。そうだな──じゃんけんでどうだろう」
「のぞむところだ」
「「じゃん・けん・ぽん!」」
俺はパー、小太りの男はグーだ。
「か、勝った。俺の勝ちだ!」
「やったね、お兄ちゃん」
俺は結衣にむけてガッツポーズをとった。
「妹達は君に味方をしたか。これはなるべくしてなった結果だろう──是非君の名前を聞きたい」
「俺? 俺の名前は藤森奏だけど」
「そちらのレディーは?」
「結衣……です」
「奏に結衣だね。ボクは私立桜蘭高校に通う結城隼人(ゆうきはやと)というものだ。よろしく」
「俺達と同じ高校じゃん!」
「む、そうだったのか。それは知らなかった。そうだ、こういうのはどうだろう。これも何かの縁だ。情報交換をし合うというのは」
「……まぁいいけど。じゃあ俺の連絡先」
「む、赤外線というやつか」
俺と隼人と名乗る男は互いに携帯を向かい合わせた。
「ではまた会おう」
連絡先を交換し終えた隼人と名乗る男は、颯爽と消えていった。
「なんか、変な人だったね」
「そうだな……」
俺は勝ち取ったゲームを無事にレジで買い、結衣の要望で俺達はメイド喫茶に行くことになった。
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