2012人が本棚に入れています
本棚に追加
「結衣、秋葉原に来たら1度行ってみたかったの」
「結衣が興味を持ってたなんてお兄ちゃんはびっくりだよ」
「えへへ、いい勉強になりそうだもん」
なんの勉強なんだい結衣。
お兄ちゃんにそこのところを詳しく教えてください!
「ここが結衣が来たがった店だ」
シックなレンガ造りの建物で、ガラス張りの一角から店内が覗けるようになっている。
そこはメイド喫茶ではなく──妹喫茶。
結衣はメイド喫茶も妹喫茶も同じものだと思っていたらしい。
メイドや妹や男装とかいろいろあるんだよ、結衣。
「うわ~っ。お兄ちゃん、早く入ろ!」
結衣は俺の手を握りわくわくとした面持ちで、俺を店へと引っ張っていく。
「お帰りなさい、お兄ちゃん」
「お帰りなさい、お姉ちゃん」
別々のどこかの学校の制服を着た、2人の可愛らしい少女が俺達を出迎えてくれた。
「お兄ちゃん、結衣のことお姉ちゃんだって! お姉ちゃん!」
「よかったな」
もの凄く喜んでいる結衣を俺は頭を撫でてなだめる。
たしかに結衣は兄妹で1番下だけど、まさかこんなに喜ぶなんて。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、こっちだよ」
俺と結衣は片方の妹に席を案内される。
実は俺も妹喫茶は初めてなので、緊張してまともに妹達の顔を見れていない。
「お兄ちゃん、これがメニューだよ」
最初のコメントを投稿しよう!