双子の嵐(ジェミニ・ハリケーン)~結衣編~

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「結衣、秋葉原に来たら1度行ってみたかったの」 「結衣が興味を持ってたなんてお兄ちゃんはびっくりだよ」 「えへへ、いい勉強になりそうだもん」  なんの勉強なんだい結衣。  お兄ちゃんにそこのところを詳しく教えてください! 「ここが結衣が来たがった店だ」  シックなレンガ造りの建物で、ガラス張りの一角から店内が覗けるようになっている。  そこはメイド喫茶ではなく──妹喫茶。  結衣はメイド喫茶も妹喫茶も同じものだと思っていたらしい。  メイドや妹や男装とかいろいろあるんだよ、結衣。 「うわ~っ。お兄ちゃん、早く入ろ!」  結衣は俺の手を握りわくわくとした面持ちで、俺を店へと引っ張っていく。 「お帰りなさい、お兄ちゃん」 「お帰りなさい、お姉ちゃん」  別々のどこかの学校の制服を着た、2人の可愛らしい少女が俺達を出迎えてくれた。 「お兄ちゃん、結衣のことお姉ちゃんだって! お姉ちゃん!」 「よかったな」  もの凄く喜んでいる結衣を俺は頭を撫でてなだめる。  たしかに結衣は兄妹で1番下だけど、まさかこんなに喜ぶなんて。 「お兄ちゃん、お姉ちゃん、こっちだよ」  俺と結衣は片方の妹に席を案内される。  実は俺も妹喫茶は初めてなので、緊張してまともに妹達の顔を見れていない。 「お兄ちゃん、これがメニューだよ」
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