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「ど、どうも」
俺はぎこちなくメニューを受け取る。
メニューを渡してきた妹の名前は『るみか』らしい。
らしいというのは名札にそう書いているだけだからだ。
メニューの内容はというと──
『ドジっ子妹の愛情オムライス』
『ツンデレ妹の愛情チョコレートパフェ』
『甘えん坊妹の愛情お菓子セット』
という感じだ。
妹なのに坊でいいのか? お菓子セットに愛情はないだろ! などとは我慢して言わなかった。
「じゃあ、俺はこの『ドジっ子妹の愛情オムライス』」
「結衣はこのチョコレートパフェ!」
「結衣、メニューはちゃんと読まないとダメなんだぞ」
「はぁーい。結衣は『ツンデレ妹の愛情チョコレートパフェ』」
「ご注文を確認するね。お兄ちゃんがオムライス、お姉ちゃんがチョコレートパフェだね?」
「全部言わないんだ……」
「ちょっと待っててね、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
注文を確認したるみかちゃんが厨房へと向かっていった。
そして待つこと数十分。
るみかちゃんがトレイに料理を乗せて持ってきた。
「お待たせ~。はいっ、どうぞ、お兄ちゃん、お姉ちゃん」
るみかちゃんは俺と結衣の前にオムライスとチョコレートパフェを置く。
結衣のチョコレートパフェはフルーツやアイスがてんこもりに盛られている。
「べ、別に、お姉ちゃんのために作ったんじゃないんだからねっ!」
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