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しかも、そのまま先に行っちゃうのか。
ふっ。凛のやつ、ツンデレたな。
「お兄ちゃん大丈夫?」
「ああ、なんとか。結衣はあんなことしないよね」
「当たり前だよ。結衣はお兄ちゃんが大好きだもん」
結衣は満面の笑みだ。
やっぱり、持つべきものは可愛い妹だな。
「でも、浮気したらいくら結衣さんでも許さないんだからね!」
「付き合ってましたっけ!?」
結衣は両手の人差し指で、頭の上に2本の角の様なものを作っていた。
「なにそれ、鬼のつもりか? 結衣は可愛いなぁ」
思わず頭を撫でていた。
「えへへっ」
まだまだ子供だなぁ。
「じゃあね、お兄ちゃん。少しの間別れちゃうけど浮気はダメだからね」
そう言って俺の腕に抱き付いてきた。
ば、馬鹿な! あんなにロリなくせに確かに感じる柔らかな双山。
前言撤回だ! 結衣はお兄ちゃんの知らないうちに立派な女の子になってました!
──う、マズイ。俺のジョニーが。
俺は思わず前のめりになった。
「どうしたのお兄ちゃん?」
「な、なんでもないよ。ほら、早く行かないと遅刻するぞ」
「あ、本当だ。それじゃお兄ちゃん、また後でね」
「ああ、またな」
結衣は手を振りながら走っていった。
「やっと行ったか」
それにしても危ないところだった。
もう少しで俺のジョニーが男に目覚めるとこだったぜ。
俺は足早に2階の自分の教室へと向かった。
扉を開けると、
「待ってたぜぇ、かなでー」
アホがいました。
俺が扉を閉めようとするとアホは手で制してきた。
「ま、待てって悪かった」
「かなでって言うなって何度も言ってるだろ」
このアホは1年生の時にクラスが同じだった七瀬蓮(ななせれん)。
そうだった、2年生になってもクラスが同じということは、来年も同じなんだ。
「そんなことはどうでもいいんだよ」
「そんなことって、お前人の名前をなんだと──」
ガシッ。
む、馴れ馴れしく肩なんか組みやがって。
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