入学式

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「そんなことより見たぞかなでー。今朝のあの可愛い子たちは誰なんだよ? お前にはパーフェクトなお姉様がいるのに」  お姉様? ああ、あや姉のことか。  藤森あやめ──透き通った綺麗な黒眼に、傷み1つない黒髪をストレートに腰まで伸ばし、モデル顔負けのスタイルの持ち主。  あや姉は俺の1つ年上の姉で、この学校の3年生だ。  確かに美人だしスポーツ万能で、成績だって良い。  だけどみんなはあや姉のせいで死にかけたことがないから、そんなことを言えるんだ。 「あや姉は関係ないだろ。可愛い子ってのは結衣と凛のことか? あれは俺の1つ下の双子の妹だよ」 「へぇ、結衣ちゃんと凛ちゃんっていうのか。後で紹介してくれよな!」 「嫌に決まってるだろ。お前なんかに誰が紹介するもんか」 「あやめさんだけでは飽き足らず、結衣ちゃん凛ちゃんをも独り占めするつもりか、このシスコン野郎!」 「誰がシスコンだ!」
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