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そんなことを話していると、チャイムの音と同時にみっちゃんが教室に入ってきた。
みっちゃんというのは俺の1年生の時からの担任の先生で、親しみやすい女性だ。
ちなみに、現在彼氏募集中。
「みなさん、おはようございます」
「みっちゃんおはよう。あれ? いつもと化粧違うね」
「はよー。つうか、みっちゃん気合い入り過ぎ!」
「え、えっ!? そ、そんなことないよぉ」
クラスの誰かがそんなことを言うと、みっちゃんは両頬を抑えながらもじもじとし始めた。
「と、とにかく、これから入学式が始まるからみんな体育館に移動してください」
「「「はーい」」」
『平成22年度、入学式を始めます。新入生、入場』
教頭先生が告げると、ぞろぞろと新入生が入場してきた。
お、結衣と凛も入場してきた。
あいつら同じクラスになったのか。
──あ、凛と眼が合った。
俺は小さく手を振った。
(おーい)
あれ、今目を逸らしたよな?
照れてるんだな、可愛い奴だ。
「なあなあ、今のって今朝の子だよな? どっちなんだ?」
「……今のは凛だよ」
「あれが凛ちゃんかぁ。モテるんだろうなー」
「……」
蓮のやつ顔がにやけててキモイぞ。
やっぱりこんな野郎に大切な妹を紹介できねー。
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