入学式

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 結衣は誰とでもすぐ仲良くなれるのになー。双子なのにどうしてこうも性格が違うんだろうか。  仕方ない。結衣には悪いけど今日は凛を優先するか。 「凛、やっぱり今日は俺と凛の2人な」 『えっ!?』 「決まりな。昇降口で待っててくれ」 『なっ、ちょ、ちょっと、勝手に決め──』  ブツ、ツーツーツー。  最後になんか言ってたけど、まあ大丈夫だろ。  結衣にこのことを連絡しないとな。  ──ブーブーブー。    丁度結衣から電話がきた。 「結衣か。どうし──」 『遅ぉぉぉおおぉぉいっ!!』 「──っ!!」  耳があぁぁ!   結衣のメールからまだ10分くらいしか経ってないのに遅いだと!? 結衣の時間間隔がわからん。 『お兄ちゃん、結衣すっごくずーーっといい子にして待ってたのに今どこでなにしてるのっ?』 「そのことなんだけど結衣、ごめん。今日は一緒には行けないんだ」 『────!?』  何かが今崩れ落ちる音がしたような気がする。 「……結衣?」 『お兄ちゃん……それ、本当?』 「あ、ああ」  結衣が虫の息のようだ。 『……もういい。結衣帰る』  やばい。結衣を泣かせたか?  何か他の話題を振らなければ。 「そういえば今日、俺の友達の蓮ってやつが家に遊びに来るかもしれないんだけど、そいつ結衣に惚れたみたいでさ、彼女にするとか言い出すんだよ」 『……お兄ちゃん以外どうだっていい』 「え? よく聞こえなかった」 『お兄ちゃんのバカァァァー』  ブツ。  電話を切られてしまった。  怒らせたのかな。普通自分を好きだっていう人がいたら悪い気はしないと思うんだけどな。  んー、ギャルゲと違ってリアルの気持ちは分からない。
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