発端

3/5
前へ
/963ページ
次へ
「本当にキレイ。頼んだら貰えるかな?」 今度機会があったら頼んでみようと思いつつ、もとあった場所に戻す。 「うわー。この本、何て書いてあるんだろ。全く読めないし」 机の上で揺れるビー玉。 彼女が僅かに目を離した隙に、安定しないビー玉は意思を持ったように転がり、零れるように床へ落ちていく。 「やばっ」 不穏な物音に気付いた彼女は、慌てて手を伸ばすが間に合わず、奮闘むなしくガラス玉は床へと触れた。 落ちた衝撃で砕けるビー玉。 割れたビー玉からは、粒のようなビー玉が四方八方飛び散りまくる。 その数は50億を越える。 「玉の中から玉!? てか、多!!」 とりあえず一粒ずつ拾ってみるが数が数だけに拾いきれない。
/963ページ

最初のコメントを投稿しよう!

222人が本棚に入れています
本棚に追加