情報屋と六階。

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手首を捻って木刀を右手に移し、それをクヌギに向かって投げる。 こんなの全然ピンチでも最後でもない。 私は私の判断で勝利をつかむ。 「当たれ世界!!」 「馬鹿言うな!!」 狙ったのはクヌギの右足。 当然、クヌギは左に避ける。 避けた先には……。 焦点は今、クヌギの背中に移る。 「なっ」 「『無変行動』」 情報憑依、栄美司。 再現度は五割。 私の身体が消えていく。 「クヌギ君どいて!!」 「どけって……動かねぇんだよ体の真ん中がっ!!」 焦る凉香とどうすることも出来ないクヌギ。 私は“普通”に歩く。 遅くもなく。 速くもなく。 普通に。
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