発端

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「うわっ、どう入ってたのこれ!?」 彼女は完全に冷静さを失い、道具もなしに小粒の玉を拾い続ける。 「あっ、そうだ。慌てない慌てない。私は天使よ、これくらい」 ふと我に返った彼女は手作業で拾うのを止め、ゆっくりと背筋を伸ばす。 「もとに~~戻れ!!」 彼女がくるり一回転して指を振ると、あら不思議。 ビー玉の一粒一粒が無計画な回転を止め、一つの意思を持って寄り固まっていく。 二つが一つ。 三つが一つ。 最終的に一回り大きなビー玉が造られ、あと数秒もあれば全てが元通りになる。……はずだった。 が。 ふと彼女は足元にある、ざらざらとした感覚に冷や汗を流す。 「やば……」 どうやら回転した拍子に粒玉の1つを踏み砕いてしまったらしい。
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