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「いのちのおかね」
友達のヨウコに
昨日珍しくランチに誘われた
彼女は生命保険の仕事をしていて
アコも保険の事は
いつも彼女を頼りにしてる
「最近ね、いのちのおかねを預かるコノ仕事が辛いの」
聞けば彼女が入社した頃から
ずっと娘のように
可愛がって来てくれた夫婦
その叔父さんが
末期ガンに冒された
日に日にやつれていく叔父さんと
隣で寄り添う叔母さん
そして
彼女がその夫婦の
最期の仕事をする日も
きっとそう遠くない
彼女は
素晴らしい仕事をしていると
アコは思う
大事な誰かが
もしも大切な人を失って
急に1人ぼっちになってしまったら
側に居て泣いて
精神的な支えになるだけでなく
彼女の仕事は
残された家族の経済的な支えになる
いのちのおかね
外国では
ラストラブレターって
呼ぶ国があると聞いた
入退院を繰り返す叔父さんの
給付金の手続きに行く度に
涙が止まらなくて辛かったヨウコ
だけど
いのちのおかねの
話の最後は
凛とした顔の彼女がいた
生きている事は
奇跡
病気になったり
怪我をしたり
大事な人を失って初めて気づく
生かされているコノ奇跡を
アコもずっと大事にしていこう
アコの周りの人の幸せの奇跡が
いつまでも
いつまでも続きますように…
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