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「いのちの時間の値段」
ヨウコに会ったのは
先月、ランチをして以来
あれから
ヨウコは夫婦を見守り続けてた
国は抗ガン剤の新薬を開発する一方
医療費削減の為に
入院治療から通院治療へシフトしている
ヨウコの大切な人も
通院で抗ガン剤治療をしている
高額療養費制度…
1ヶ月に払う治療費が
所得によるが高額になったら
戻ってくる制度
最近は、窓口で申請すれば
結構早く戻るらしい
けれど
この素晴らしい制度は入院治療だけ
実は通院治療は
3ヶ月後にしか戻らない…
ヨウコの大切な人は
もうワンランク高い抗ガン剤に変えなければ
余命3ヶ月だと言われてしまった
3ヶ月。
抗ガン剤が月24万
3ヶ月で72万
治る見込みのない治療
だけど生きたい
生かしてあげたい…
少しでも長く
1日でも、1秒でも長く
その呼吸が止まるまで
瞳の光が消えるまで
寄り添いたい家族
いのちの時間の値段…
ぽつり、ぽつり
話す彼女の横顔を見ながら
涙が止まらなかった
死への恐怖
だけではない
現実を叩きつけられた
死に向かう愛する人にできる事…
自分が残す愛する人にできる事…
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