1章

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ある真夜中とあるの都市で悲劇が起こった…。 人気の少ない廃墟となった場所で男と女が争っていた。 「やめてくれ…。 頼むから許してくれ」 男は、何者かに怯えていた…。かつて心の底から愛していた女 「ふっ…。 許してくれ? 散々私をコケにしたのに?」 その女は、冷めた目で男を見ていた…。 月夜のさみしげな照らされているその女を見た者は息を飲むほど美しくでも何処かさみしげな オーラを放ってる。 女の持っていた鎌が月夜の光りに照らされ不気味に光っていた。 季節のせいか生ぬるくジメッとした風が二人の間を通りぬけ 女の腰まであるストレートの黒髪がなびく 「すまない…。」 男は、地面のコンクリートに頭をつけ土下座をしていた。 「謝って済む問題じゃねぇよ! 私はあんたを心から愛してた…。 でもあんたは私の気持ちを踏みにじって好き勝手してた…。」 女は、悲しみと憎しみに飲み込まれ不気味に光る鎌を手で強く握り震えていた…。 「裏切るつもりはなかった…。」 男は、悲しみに満ち女を見つめ一筋の涙を零した。 「よく言うよ…。 今更遅いどう足掻いても過去に戻れる訳じゃねぇんだよ」 先ほどまで冷めていた女の頬に一筋の涙が零れた…。 「…。」 それを見た男は目を見開いた。 (悲しい訳じゃないのにどうして…?) 女は、ふと思った…。 「…。」 (鬼の目にも涙か…。) そんな言葉がふと頭の中に浮かんできた。 (悔しい…。 なんでこんな馬鹿な男を好きになったんだよ…。) 「ユリア…。」 男は、悲しげに女の名前を呼んだ…。 呼ばれた女は、怒りを露わにした。 「気安く私の名前を呼ぶんじゃねぇ!?」 それでも男は、名前を呼び続ける
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