静かな夜に私は願う

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  「何を迷ってるの?」  私は答えを返した。 「こんな願い。叶っていいのかな、ってね」 「叶っちゃいけない願いなんてものはないよ。どんなに悪いことでも」  とても不思議な感覚。  ここまで来てやっと気付いた。今までずっと悩んでいた自分が馬鹿らしい。 「そう」 「決めた」  私は呟いた。彼は頷いて答えを待っている。西風が強くなったのか草原は激しく騒いだ。 「私は――」   「私はいい」 「それが悩んで出した答え?」 「うん」
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