1.悪魔の救いの手

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「仲間……って言ってもあてはあるの?」 「1つだけあります」 「はい。先月、ここから数十キロ先にある町から連絡が取れなくなったそうです。そして、状況を確認しに行った1人の町人がボロボロになって帰ってきたそうです」 「うわ……」 「その町人によれば化け物のような人間がいた……と」 「化け物のような人間?」 「特徴はどの亜人種にも属さない謎の人物だったそうです。引っかかりませんか?」 「……ごめんなさい。引っかからない」 「……」 ヴィヴィアンの呆れ顔を見て申し訳ない気持ちになる。 「その、俺はこの世界にきて一年経ってないんだ。授業でもこの世界の基礎みたいのは教えてくれなかったし……」 「なるほど、解りました。なら僕達が出来る限り勇弥さんの質問に答えようと思います」 「何故私まで……」 ヴィヴィアンがあからさまに嫌な顔をする。もしかして俺お荷物だと思われてる? 「僕達が無理やりこんな旅に引っ張りだしたんですからこれ位はしないといけませんよね。彼はリーダーなんですから」 「……解りました。亜人種。つまり普通の人間とはかけ離れた人類はこの世界ではざっと100種は超えるでしょう」 「そんなにいるの!?」 「まぁ、結構ざっくばらんに分けてますからね」 つまりこの世界での『人』というのは地球での『犬』、『猫』、『猿』みたいに相当端折った言い方みたいだ。 「で、その亜人種の見分け方ですが……やはり外見による所が最も大きいかと」 「角が生えてたり、とか?」 「ええ、他にもポピュラーな所では獣耳の生えた獣人、黒い翼の魔族、白い翼の天使。マイナーな所では六目のサレナ民族、我々竜の特徴を持つ竜人。ですかね」
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