SAKURA

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SAKURA

A 目の前一本 桜の木 去年は桃色 桜の花 今年は前より 濃くなっていて 色鮮やかな 紅でした B 「ああ、君の血を吸ったのか」と 呟いてみた 花が、揺れた サビ どうか一時間前に戻して、と いる筈もない神に叶わぬ願いを叫んだ日 あの時動く事出来たなら 桜は、桃色だったのに…… C 花が風に揺れた 僕の手に落ちた ふと懐かしい声が 聞こえたような気がした サビ どうか桜散ることなかれ、と いる筈もない神に再び叶わぬ願い あれから動けなかった時間が 一秒、針を進めていた
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