苦いおかず

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「ごめんね、御手洗君」 ホームルームも終わり、皆が帰り始めている中、隣の席の黒川さんが声をかけてきた。ついこの間の席替えで、僕は窓際の一番後ろを引き当て、黒川さんとは席が隣同士だった。 「いや、別に委員長は何も悪くないよ」 精一杯笑顔で返事をしたが、落胆していたのでぎこちない笑顔になった。彼女も救われたように控えめに笑った。 「ありがとう。そんな落ち込まないでっ。面倒なことは私がやるから大丈夫だからね」 励まされ、なんだか情けない気分になって、苦笑いした。 「じゃあ、文化祭についてはまた明日からね。じゃあねっ」 黒川さんは笑顔で手を振り、ポニーテールの綺麗な黒髪をなびかせながら教室を出ていった。 僕とは正反対の人間だ。彼女は男女問わず人気だし、回りにはいつも人が集まっている。全く、同じ人間とは思えない。 ため息をついて、帰路についた。
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