異端者

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・・・話かけるも、何を? 初対面だし、やっぱり挨拶からか?いや、でもなめられたら嫌だしな・・・ 俺がそんな話しかけ方の手順に戸惑っている最中で、先客は俺の存在に気づいたようだ。 「キミは誰?」 先客が俺に言った最初の言葉だ。それは俺も聞きたいところだ。 「おっお前こそ誰だよ?」 少しうろたえた俺の前にいる先客は、どこか幼さが垣間見える。見たところ中学生くらいだろう。だが、中学生には似合いそうにない黒服を着ている。 なんだか暗い感じがする。 「ボク?ボクは志藤龍騎だよ!龍の騎士で龍騎」 俺の問いにあっさり答えてきた先客ー志藤龍騎と名乗る青年は右目に黒い眼帯をしていた。 今時、眼帯ってドラッグストアにある白い布でてきた眼帯しか見たことがなく。黒い眼帯にはなにか重いものを感じた。 「キミは?誰なの?」 質問に答えたのだから答えろよ・・・みたいな雰囲気だ。 「あぁ、俺は高田恭平って言うんだ。走橋高校二年だ。」 「恭平・・・なら恭ちゃんだね!?」 初対面であだ名つけられた。しかもなんかベターな感じだな。 それにしても俺は珍しくて仕方がなかった。この山にこの時間に人がいるのだから。いつもは誰もいないはずだ。俺くらいしかいないはずなんだ ここに何しに来てるんだ・・・ コイツは
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