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「かかかか....」
「かかかか?」
「間接キッス!?」
「ブゥーッ!?」
七海の一言に私は食べかけのスリチキを、勢い良く口から吹き出した。間接キッスぐらいがなんだ!それくらいて一々、頬を赤らめるなよ。
「全く....七海が変な事言うからスリチキ吹き出したじゃない!」
「おう!お前ら買い食いは校則違反だぞ!」
突然後ろから声を掛けられる。振り返ると、良く見る顔が目の前に伏せていた。
彼は倉本真中(クラモトマナカ)と言って、私の同級生の同じクラスの男子。家が近所な為に良く外で合う事はあるが....。
「あんただって買い食いしてるじゃん!」
「あーこれは朝食。こっちは昼の分ね。だから買い食いではありませーん!」
意地悪そうに笑った。私はそれ以上につっこむ事も出来ずにいた。そもそも真中には両親がいない。
それは彼が小学生の時だったか....両親は湾岸線を走っていたトラックと正面衝突で即死だったらしい。
その後、高見村に住むという叔父さんに引き取られた後、この七福町までバスで通って来ていたという。
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