■福永七海

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エレベーターの扉が開かれると、直ぐ目の前が玄関になっている。此処も防犯設備が調っていて、監視カメラが頭上にあった。 七海が玄関のカードキーを取出した所で扉からエプロン姿の女性が顔を覗かせた。 「お帰りなさい。あら、美代子ちゃんも一緒なの?」 「うん!今日は家に泊まってもらうんだぁー!」 玄関口に居るのは七海の母である。性格は穏やかで、いつも泊まりに来ると美味しいお菓子や料理で持て成してくれる。 七海はにこやかに私が泊まる事を告げると、私の手を引いて玄関を潜って行った。 「お邪魔します。」 「いらっしゃい。美代子ちゃん。夕御飯が出来るまで、うちの七海と部屋で待っててね?」 「はい!」 お金持ちの母はやはり違う。何と言うか気品漂う新妻さん?若いし綺麗だし、うちの母とは比べものに為らない。 そう考えている間に、私は七海に引かれて二階の部屋へと連れて行かれた。 部屋の中は....縫いぐるみ。人形。縫いぐるみ。人形。ピンクのベットにピンクのカーペット。 七海という個性溢れる部屋へと仕上がっている。実に女の子供と言えよう部屋だ。
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