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年上の後輩
最近入社した新人さん
５５歳の歳は俺の倍近い
前の会社は倒産し
半年くらい職探し
二十代後半の俺が管理者してる
そんな会社に入社する
真面目で頑張り屋
とてもとても
真面目で頑張り屋
それでもミスしたり
やり忘れたりしてしまう
しょうがないし人間だし
ミスくらい誰でもするし
でも管理者の立場上
注意をしなければいけない
ミスをしたら注意しなければ
注意をすると深々と頭をさげ
「すいませんでした」
「申し訳ありません」
自分の倍近く年下に
何度も何度も頭をさげる
自分の倍近く年下に
何度も何度も詫び入れる
家庭があるから
稼いで養わなくてはいけないから
プライドはそっと閉まって
許しを乞う
家族の為に頑張ってる
それが社会というものだ
新人の年上の方も
入社して４ヶ月
俺にまだ一度もタメ口をきいたことがない
真面目で頑張り屋
とてもとても
真面目で頑張り屋
何でもメモをとり
わからない事はすぐに聞いてくる
たまにプライベートの話をすると
「娘は今年２７で嫁にいきました」
「息子は２１で大学生です」
「嫁にも苦労かけ働いてもらってます」
「自分がしっかり頑張らないと…」
家族をとても大事にしている
前の会社が倒産しなければ
全く違う人生だったろう
年下にペコペコしなくてすんだのに
そんなある日
同じようなミスを犯した
新人さんに
強めに説教をする
「ミスした原因は何だ？」
「原因がわかって無いからミスすんだ」
「またミスするぞ？」
「もう少しで取り返しのつかない事になっていた」
「集中しろ！緊張しろ！」
ついついヒートアップしてしまい
口調が荒くなった
新人の目から
涙がこぼれ落ちた
俺と同い年くらいの子供がいる
立派な立派な父親が
子供と同い年くらいの先輩に
怒られ堪えた涙も溢れ出す
ごめんなさい
言い過ぎました
人生経験も少ない
人として未熟な俺が
一家の主を
家に帰れば立派な父親を
感情に任せて
怒鳴りちらして
傷つけ涙させて
すいません
俺みたいなクズが
あなたみたいな
真面目で頑張り屋のあなたに
犯した罪をお許しください
必死に頑張っている
あなたの涙が
頭から離れない
必死で頑張っている
あなたに涙させた
自分が許せない
ごめんなさい
ごめんなさい
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