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ゴシャゴシャ…
あたりにザラザラした岩の表面とデッキブラシの擦れる音が響く。
「ふぅ…」
デッキブラシから片手を離して首にかけてあるタオルで額の汗を拭った。
こんにちは。
僕は秋暮 彩葉(あきぐれ こうよう)。
崗流都学園高校に通う至って普通な高校生だ。
「掃除はこんな感じでいいかな」
掃除の終わった場所を見渡してみた。
そこには表面を水平にカットされている岩がきれいに敷き詰められた床にシャワーと鏡のついた壁、出入口には『ゆ』と書いた暖簾が垂れている。
そして今僕が立っている位置には広さが畳七畳、深さ50cm位の穴があり床とは対称的にゴツゴツした岩が並べられている。
どこからどうみても温泉の浴場である。
え?どうして僕がこんなとこにいるかって?実は…
ガラガラ…
出入口のドアが開き何者かが暖簾をくぐってきた。
出入口の方に顔を向ようとすると…
カコーン!!
顔面に激しく何かが衝突した。
その衝突でしりもちをついたと同時に体の横に木製の風呂桶が落ちた。
おそらくこれが僕の顔に当たったのだろう。
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