...Prologue.

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「…えぇい、まだ生まれんのか!」 男の怒号が響く。 「…もう間もなくだと思いますのでもう少し落ち着かれてください」 「これが落ち着いていられるか!もう陣痛が始まって3日だぞ!いい加減ユリアの体力が持たん!」 「…それはそうですが…」 「ユリアになにかあったらでは遅い…。その場合は…諦めよう…」 《!!》 「そんなっ!お腹の子はよいのですかっ!?」 「よくはない!…よくはないが…ユリアの命の方が優先だ…」 「あと2刻して生まれんようなら子は諦める」 「そんな…」 「…私も辛いのだ。わかってくれ」 「…いえ。私こそ申し訳ありません…。かしこまりました」
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