...Prologue.

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《バンッ!》 勢いよく扉が開かれる。 「国王様っ!」 「どうした!騒々しい!」 「うっ、生まれました!男の子です!」 国王と呼ばれた男は大きく目を見開く。 「まことか!遂に生まれたか!」 男は満面の笑みを浮かべる。しかし嫌な予感が頭をよぎり、表情を正すと、部屋に入ってきた男に問いただした。 「…して王妃は…ユリアは無事なのか?」 男は肩を上下に揺らし激しい呼吸をしているが、姿勢を整えて答えた。 「はい!衰弱してはおりますが、生命に問題はありません!」 「…そうか…無事でよかった」 国王は膝から崩れた。 確かに王妃は3日間も激しい痛みと戦ったのだ。心配で仕方がなかったのだろう。 「さぁ国王様、かわいいお子様を見に行こうではありませんか」 先程、国王とやり取りしていた男が促す。 「おぉ、そうだな…。将来の国王を迎えに行くとするか」
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