ご臨終です。

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それから、あっという間に私が死んで1年がたった。 両親は、しばらく落ち込んでいたけど、気がつけばいつのまに仕込んだんだか、次女誕生に喜んでるし、幼なじみはちゃっかり彼氏作って大学生活エンジョイ中。 そんなもんだよね。わかるよ。 私はというと、死んだ当初は気づいて欲しくて、実家や幼なじみの部屋でラップ音とか物動かしたりとかしてたんだけど、全然気づかないの、両方とも。 あまりにも気づいてもらえないから、私も諦めて…というか開き直って、おばけ生活をエンジョイすることに決めたわけ。 どうせ、みんな私のことなんか気づかないし。それに、私なんかは忘れて幸せになってもらいたいしね… とか言ってみる。
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