プロローグ①

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「竜聖さんはさっきからずっと船長さんと話し込んでますね」 「あぁ、世間話に付き合ってるんだか。これから行く島の情報収集してるんだか」 今回のオフ会の企画が持ち上がった時に、会場となるべき場所を探してきたのは竜聖だった。 ゲームの中では情報屋としての立場を確立している竜聖らしく絶好の穴場を探してきたが、当の本人も実際に行くのは今日が初めてだと語っていた。 港を出て30分も経たないうちに島が見えてきた。 ほぼ垂直に切り立つ断崖は、まるで海にホールケーキが浮いているかのようだ。その頂上部分には緑が生い茂っている。 「は~、まさに海の孤島ですね」 「夜桜さん。孤島は普通、海だと思いますよ(笑)」 さっきまで船長と話していたはずの竜聖が、いつの間にか背後に現れ鋭い突っ込みを入れる。 『覇天』では、交流瓦版と呼ばれるプレーヤー同士が自由に語り合える掲示板があるが、そこでもよく見られる光景だ。
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