488人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
「感動の再会だったね。ところで永宮くん、誰かを忘れてないかい?」
夜深の言葉に後ろを振り返った智久は、言葉を失った。
綺麗なストレートの黒髪。
透き通る白い肌。
輝く淡いブラウンの瞳。
大人の雰囲気になった彼女。
懐かしく愛しい存在。
「…優奈」
震える声で名前を呼んだ。
「久し振りだね、智久くん」
あの日と変わらない声で、優奈は微笑んでいる。
「私の為とはいえ、人を傷つけちゃダメでしょ!!大悟さんが助けてくれなかったら、本当の殺人になっちゃってたんだからね!!」
冗談混じりに智久を叱る優奈。
それでも最後は微笑んで、
「だけど、それを聞いた時。凄く嬉しかったよ。…ありがとう」
そう言ってくれた。
最初のコメントを投稿しよう!