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「じゃあ助かるんですね!?」
興奮して声を上げる裕也。
その姿は、いつもの彼らしくなかった。
「ああ…。ただ、早いとこ脱出しないとな。此処から出ないと、本格的な治療が出来ない」
「それと、綾香の傷は…?」
「私は大丈夫。これは此処に連れてこられた時の傷だから」
腕を押さえながら答える綾香。
「なら良かった…」
そう言いながら智久は、リリーへと話し掛けようとする。
しかし、リリーの姿が見当たらなかった。
「……リリーは何処に行った?」
その言葉に全員が周りを見渡すが、何処にもいない。
「さっきまでは私の隣に居たんだけど…」
綾香が不思議そうに言う。
そんな中、智久は悔やんでいた。
自分の憶測が、正しかったこと。
それを直ぐに告げなかったことを…。
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