第十一章「夜深」

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「つまり、リリーさんが裏切り者だって事ですか…?」 裕也が信じられないといった顔で問い掛ける。 智久は、それに力無く頷いた。 違和感…。 戸塚が家屋に入り有り得ないと言った時、リリーは 「何が変わっているの?」 そう答えた。 何かが変わっているとは言っていないのに。 違和感……。 あの惚けた雰囲気のリリーが、智久ですら気付かなかった入り口を見つけた。 違和感………。 汚れた服を洗う時、迷わずに水道のある部屋を見つけ出したこと。 違和感…………。 何処にも表示が無い部屋へ入り、備品室と口にした。 違和感……………。 初めて見た筈の怪物を一発の銃弾で殺した。 知らない筈の急所を寸分の狂いも無く撃ち抜いて。 全てが答えを指し示していた…。
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