第弐章「動き出す運命」

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「それで?お尋ね者の俺と何の関係が……」 「大島大悟。永宮くん、君は"あの事件"の供述で、この名前を口にしていますね?」 智久の動きが止まる。 自分の発言に言葉を被せられたからではなく、あの名前が出たからだ。 「……ああ」 勢い良くビールの缶を握り潰す。 中身が腕を伝い、ポタポタと床に滴り落ちた。 リリーは訳が解らず、ただオロオロとしている。 「我々の捜査で、彼が今回の事件に関与している線が浮上したんです」 戸塚は二本目のビールを取り出しながら言う。 智久はあの日の事を思い出していた……。
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