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あの日、カジノで親しげに声を掛けてきたのは策略だったのだろうか。
もう答えは出ていた。
「私も全く気付きませんでしたよ…」
戸塚が暗い表情で落胆する。
皆がリリーを好きだったから。
「どうして……」
裕也の瞳には、うっすらと涙が浮かんでいる。
何故リリーが榊原に加担するのか…?
何が目的で、どんな理由があるのか…?
智久には考える気力すらも残されていない。
「………あの」
綾香が遠慮がちに言葉を紡ごうとした時、スピーカーから聞き覚えのある声が流れ始めた。
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