第十一章「夜深」

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『残念だったね』 夜深の言葉通り、カードに書かれているのは×。 外れだった…。 「ごめんなさい…」 俯きながら謝る綾香を、誰一人として責める気配はない。 『それじゃあ次にいくよ』 先程と同じようにカードをシャッフルした。 「次は私が選んでも良いですか?こう見えて、なかなか運は良いんですよ」 戸塚の言葉に、またも一同は頷く。 「ん~。Bですかね」 夜深が頷き、カードをめくった。 『あらら…。また外れだよ』 その表情は何とも言い難い、恍惚に溢れたものだった。
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