第十一章「夜深」

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「戸塚さん。貴方がいま思ったのは、AとBどちらですか?」 振り向きながら尋ねる智久に、戸塚は静かに答えた。 「Bです…」 智久は頷きながら続ける。 「俺もですよ。…裕也と綾香は?」 その問いの答えは、二人ともBだった。 「きっと、この映像の所々に文字を忍ばせていたんでしょう」 モニターを睨みながら話す智久だったが、夜深は相変わらず微笑んでいる。 「じゃあ当たりはAですね!!」 裕也が嬉々として叫んだが、その答えは智久の言葉で否定される。 「Bのカードだ!!」 初めて夜深の顔が歪んだ…。
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