第十一章「夜深」

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「どうして…」 綾香が驚愕の表情を浮かべながら呟く。 「引っ掛けなんだろ?…夜深」 その問い掛けに夜深は短く笑い、少しばかり視線を逸らした。 「最後のチャンス直前に、あの発言。雛の刷り込みを意味する、サブリミナルへの間接的なヒント…」 「サブリミナルだと理解させ、当たりへの希望を植え付ける。…そして絶望へと突き落とすのが狙いだったんだろ?」 夜深は笑いながらカードへと手を伸ばす。 「流石だね。…まあ、これくらいは当然か」 めくられたカードには、はっきりと〇が記されていた。
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