第十一章「夜深」

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「どちらにしろ、彼らは死ぬ事になるだろうけどね」 嫌な笑いを含めながら言い放つ夜深。 首筋に冷たい汗が流れるのを感じた。 「…何故です?」 戸塚が、見たことも無い怒気を発しながら問い掛ける。 どちらかと言えば、問いただすと言った方が正しいが…。 「これ以上は言えないなぁ。僕の御主人様からの命令なんでね…」 御主人様という単語を口にする時、夜深はあからさまに嫌な顔を浮かべた。 「僕達は此処から出れるのか?」 裕也が遠慮がちに口を開く。 「……君達次第だよ。ああ、それと…」 「永宮智久くん。君と僕の人生は、複雑に絡み合ったゲームなんだ。そして、ゲーム攻略に必要不可欠なのは、真実を見つけ出す知恵だよ…」 そう言って、夜深を映すモニターが途切れた。
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