第十二章「betrayal 」

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『随分と連絡が遅かったじゃないか…』 皮肉を込めた威圧的な声が、電話口から響き渡る。 「仕方ないでしょ。隙が無かったんだから…」 リリーも負けじと威圧を感じさせる声で返す。 『まあ良い…。お前達の監視映像も復旧した事だしな。それよりも、事は順調か?』 それすらも気に留めず、淡々と会話を続ける男。 リリーの脳裏には、榊原の嫌みったらしい顔が鮮明に浮かんだ。 「微妙ってところかしら?…私がスパイだってバレたみたいだし」 苦笑いを浮かべる様子は、酷く哀しげに映る。 『結果的に始末できれば問題ない。…奴は居ない様だが、協力して作戦を成功させろ』 そう告げられると、通話は一方的に断ち切られた。 「……わかってるわよ」
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