第十二章「betrayal 」

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「やぁ、久し振りだね」 微笑みながら手を振っているのは夜深。 暢気に紅茶を啜っていた。 「…余裕綽々ね」 呆れたリリーは、無表情で言葉を投げかける。 「フフ。僕は楽観主義者だからね」 そう言って紅茶を差し出してきたが、受け取らずに話を続けた。 「ハンターを殺したわ…」 そう告げる表情は暗く重い。 だが夜深、それにすら笑いながら答える。 「知ってるさ、見てたんだから」 その言葉通り、二人の目の前には無数のモニターが並んでいた。 「…クズね」 聞こえるように呟いたが、夜深の顔色は変わらなかった。
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