第十二章「betrayal 」

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「それはそうと、榊原と話したわ」 リリーが木製のシックな椅子に腰掛けながら言った。 「…ご苦労様」 ただ話をしただけなのだが、その労いの言葉は正しい。 そう思わせる程に、榊原との会話は疲れるのだ。 「協力して奴らを始末しろとのことよ」 リリーが告げると、夜深の表情が曇る。 「彼を殺すのは反対なんだよなぁ。…彼は僕のゲームの参加者だから」 その言葉に、今度はリリーの表情が変わった。 「やらなきゃいけないのよ…」 暫く黙っていた夜深だったが、勝ち誇ったような顔で言う。 「君も僕と同じクズだね」
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