第十四章「後悔の色」

2/6

488人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
薄暗い部屋。 そこでは、リリーがパソコンと向き合っていた。 「…………これで良かったのよ」 受け取り手の無い言葉は、孤独な静寂に溶けていく。 「あの男を消して、パパを助ける為なら、私は鬼になれる…」 カタカタと音を奏でるキーボード。 その音が、酷く悲しげに聞こえる。 「………パパ。私…、間違ってないよね…?」 デスクに置かれた一枚のデッサン画には、親子らしき男性と少女が描かれていた。 しかし、何故か男性の顔は黒く塗り潰されている。 そのせいで、表情を窺い知る事が出来なかった。
/204ページ

最初のコメントを投稿しよう!

488人が本棚に入れています
本棚に追加