第十四章「後悔の色」

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「こんな所で何をしてるんだい?」 不意に投げ掛けられた言葉に、リリーは肩を大きく揺らした。 「………別に」 素早く電源を落とし、何食わぬ顔で振り返る。 そこには薄ら笑いを浮かべた夜深が立っていた。 「ふぅん。まあ良いけどね…」 相変わらずの雰囲気を醸し出しながら、壁へと手を伸ばす。 それと同時に、部屋は眩しい明かりに包まれた。 「明るくしないと、目を悪くするよ?」 掛けていない眼鏡を持ち上げる動作を交え言う。 「余計な御世話よ」 リリーは眉間に皺を寄せながら、出口へと歩いて行った。
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