第十四章「後悔の色」

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「…忘れ物だよ」 そう言って、デッサン画を持ち上げる夜深。 「君と…、お父さんかい?」 「無駄な詮索しないで。返しなさいよ!!」 リリーは感情的に近付いていく。 「言われなくても返すさ。…それに詮索するつもりは無いよ。ただ、羨ましいなってね」 「……?」 デッサン画を強引に取り上げながら、リリーは奇怪そうな顔をする。 「僕に父はいないからね…。写真すら残ってないから、顔も知らないんだ」 そう語る夜深の表情は、今までに見たことが無いものだった。
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