第十六章「憎悪」

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「リリアは何処に居る…」 突然響く声。 それに驚き振り返る夜深。 だがすぐに平常心を取り戻し、冷静な声で言った。 「さあ?僕は知らない。それより、来るなら事前に連絡してほしいね、……"御主人様"」 「いい加減な奴らだ。…それに事前連絡などしたら、抜き打ちの意味が無いだろう」 嫌な笑みを浮かべながら言うのは、榊原宗佐だった。 「心配しなくても、事は全て順調だよ」 含み笑いで返す夜深。 それが気に食わなかったのか、榊原は表情を歪め言う。 「貴様が勝手な行動をしなければ、あの日に全て終わっていたんだ」 「勝手な僕が居なければ、アナタは何も出来ない。彼を殺す事など到底ね…」 その言葉に鼻を鳴らし、足早に部屋を出ていく榊原。
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