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完全に信じた訳ではなかった。
だが。もしかしたら、やり直せるかもしれない。
昔の様に笑い合えるかもしれない…。
少なくとも、このままでは父親が殺されてしまう。
そんな想いがリリーを駆り立てた。
――――
「しかし…、何故リリーさんを…」
「私も疑問に思ったわ。でも計画に使うのは、私じゃなくても良かったのよ」
「父が裏切ったから、娘の私を巻き込みたかっただけ…」
切なげな表情で語るリリー。
「裏切りですか…」
「そう…。永宮智久…。彼の逃亡を手助けしたの」
なるほどと言った表情を浮かべる戸塚だが、内心は驚きで満ちていた。
二人の隠された関係性に。
「それで、名前は…?」
自分の持つ情報と照らし合わせる為、遠慮がちに尋ねた。
「……ケネス。それが父の名前よ」
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