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智久達を待つ四人の空間は、静寂が支配していた。
その静寂を破ったのは夜深だ。
「この二人…。ウィルスに侵されてるね」
それを聞いた榊原が小さく返す。
「それがどうした……?」
「放置すれば致死率100%。空気感染するウィルスだよ。…ハンター接触による被害だろうね」
「治す方法は?」
榊原の表情が強ばっていく。
「無いね。まあ、アナタは今の内に予防ワクチンを摂取すれば防げるけど」
それを聞いた榊原が怒鳴る。
「なら、さっさと持ってこい!!」
それを聞いても顔色を変えず続けた。
「残りのワクチンは、アナタの声紋でロックされた部屋の中にある。其処の扉の先、薬品No.はBH0752348だよ」
一緒に行く気は無いと言うように告げる夜深。
それに悪態を示しながらも、榊原は奥の部屋へと急いだ。
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