第十七章「犠牲」

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「お待たせ致しました!!」 暫くして、部下が智久達を連れて戻ってきた。 「よし、お前らは部屋の前で待機していろ」 それに従い、部下は部屋を出る。 「戸塚さん無事だったんですね!!…でも、何でリリーさんまで…」 拘束されているリリーを見て困惑する裕也に、戸塚は順を追って説明した。 ―――― 「やっぱり、リリーさんはリリーさんですね!!」 「私がしたかったから、そうしたまでよ。変な勘違いしないでよね」 突き放す発言をしながらも、嬉しさで顔が紅くなるリリー。 「戸塚さんを助けてくれて、本当にありがとう…」 智久は心に引っかかった物が取れたかの様に、穏やかな眼差しで言う。 「べ、別に良いわよ」 そう言うリリーの顔は、相変わらず紅くなっていた。
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