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「…智久さん、暫く辛抱して下さい」
空港に着いた一同。
智久は目深に上着を被せられていた。
「警視庁の者です。容疑者の護送に御協力願います」
閉ざされた視界の中、戸塚の声が響く。
両腕には忌まわしくも懐かしい、銀色の手錠がはめられていた。
暫く歩くと車のドアが開く音がし、そこで上着と手錠が外された。
「すみませんでした。空港内で姿を見られるのはマズかったので…」
戸塚が助手席から申し訳なさそうに振り返る。
「いえ、仕方ないですから。…それより、これから何処へ向かうんですか?」
「私達が拠点としている都内のビルです。そのビルは私達しか居ないので、スムーズに入れますよ」
そして車は走り始めた。
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