第十九章「再会」

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屋上。 まだ夜の風は少し冷たく、夜深の頬を冷やしながらすり抜ける。 「…此処に居たのか」 突然の声に振り向くと、二本の缶コーヒーを持つケネスが居た。 「此れで僕のゲームは終わりだ。…ありがとう、ケネス」 コーヒーを受け取りながら微笑む夜深。 「それは此のコーヒーへの礼かい?」 意地悪く笑うケネス。 「そういう事にしておくよ」 「素直じゃないな」 暫くの間、二人は静かに空を見上げていた。 「…彼らの元へ行かないのかい?」 その静寂を、ケネスの問いかけが終わらせる。 「僕は、コーヒーを飲むならブラックなんだ」 「どんな物とも混ざらない、そんな味が好きでね」 口を挟まず聞き入るケネスを横目に、夜深は話を続ける。 「…僕も同じさ。一人で居る事で、本来の僕を保っていられる」
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