第十九章「再会」

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「だから僕は一人で良いんだ」 悲しげに響く声。 それは春を待つ冬の風に似ていた。 「確かにブラックは良い。だが、砂糖やミルクの混ざったコーヒーも私は好きだ」 そう言い残し、ケネスは去っていく。 夜深はケネスの後ろ姿を見つめて呟く。 「そうかもね。…けど、僕には甘すぎるんだ」 そして扉へと歩き出す。 しかし、夜深がノブに手を掛ける前に扉を開いた。 「なら自分で苦くするんだな」 其処には、苦笑う智久の姿があった。 「…立ち聞きは悪趣味だよ」 「悪趣味なのはお互い様だろ?」 二人は少しだけ笑い合った。
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