488人が本棚に入れています
本棚に追加
/204ページ
「…ありがとう」
智久は素直な気持ちを言葉にした。
「感謝の言葉なら、ケネスや君の友人達に言いなよ」
その言葉に慣れていない夜深は、静かに言い放つ。
「お前が居なかったら、俺は何一つ救えなかった。だから、ありがとう」
再び口にする感謝の言葉。
「君の諦めない勇気が成し得た事だよ」
其処で会話は途切れ、二人で空を見上げた。
「あの頃は、今みたいな事になるなんて、思ってもみなかったな」
「…そうだね」
二人は思い出していた。
今とは違い、二人が心から笑い合った日々を…。
最初のコメントを投稿しよう!